
この記事の要点
- 47都道府県ツアーと特典会が、地方ファンにも継続的な接点を作っている。
- ライブと撮影会を分離せず、一つの移動型経済圏として回している。
- 接触の強さを残しながら、楽曲や公演単体の価値をどう更新するかが問われる。
MeseMoa.は2026年から2027年にかけて、約10年ぶり2回目となる47都道府県ツアーを展開している。
全国を回るだけでも大きな企画だ。
だが特設サイトを見ると、MeseMoa.の強さが単なる「全国ツアー」ではないことが分かる。ライブ公演に加え、ツーショット撮影会が組み込まれ、撮影券は2000円。FC先行、プレオーダー、一般販売と導線も整理されている。
つまり彼らが全国へ運んでいるのはステージだけではない。
MeseMoa.式の“会える仕組み”そのものを47都道府県へ持っていく。
MeseMoa.が完成させたのは全国ツアーではない。移動と接触を一年中回す、会いに行ける経済圏だ。
01
地方ファンに「東京へ来て」ではなく、自分たちが行く
地下/ライブアイドルの弱点は、どうしても東京集中になりやすいことだ。
SNSで好きになっても、現場が渋谷、新宿、池袋ばかりなら、地方在住者は交通費と宿泊費まで必要になる。
47都道府県ツアーは、その構造を逆転させる。
ファンを東京へ集めるのではなく、グループが全国へ移動する。
これは新規獲得の面でも強い。
「一度東京へ遠征してみよう」は重い。
「自分の県に来るなら行ってみよう」は軽い。
02
ただしライブと撮影会が一体化すると、支出構造も広がる
公演だけを見る人もいる。
撮影会まで参加する人もいる。
複数メンバーと撮る人もいる。
1回2000円という単価は明確でも、参加回数はファンによって大きく違う。
全国ツアーが全国特典会網にもなるということは、地方のファンにも「現場で追加消費する文化」を届けることでもある。
これは悪ではない。
むしろ東京だけが楽しめた接触型の体験を全国へ開く意味がある。
しかし同時に、「ライブに行く」ことと「推しに会いに行く」ことの境界はさらに薄くなる。

03
MeseMoa.はメンズ地下のビジネスモデルを古くせずに残した
MeseMoa.は長く活動してきた。
普通なら規模が大きくなるにつれ、接触型イベントを減らし、ライブ単価や映像、配信へ寄せる道もある。
それでもMeseMoa.は、全国ツアーという大規模企画の中へツーショット文化を残している。
これは「地下から抜けられない」というより、地下/ライブアイドルが持つ最強の武器を捨てていないと見る方がいい。
ファンとの近さ。
繰り返し会えること。
地方でも同じ体験を作ること。
メジャー型の「遠くから憧れる」モデルとは違う。
MeseMoa.の47都道府県ツアーは、ライブツアーであると同時に、関係性を全国へ配送するツアーだ。
だから強い。
そして同時に、この仕組みが回り続ける限り、ファンの支出はチケット代だけでは終わらない。
「会える」を全国化することは、熱量も全国化する。
消費もまた、全国化する。
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